一粒の麦
今日の高1のI.L.は合同で行われ、ハンセン病患者の看護に人生を捧げた井深八重さんについての動画を見ました。「生きるとは何か」ということを考えながら見てほしいという先生からの言葉を受け、授業は始まりました。井深八重さんは、良家の令嬢として何不自由なく暮らしていましたが、21歳のときにライ病(ハンセン病)と診断され、施設に隔離されます。施設ではうちしおれ絶望に気が狂いそうになった八重さんでしたが、他の患者たちの笑い声、絶望のかけらもなく、喜びさえ伝わってくる様子を不思議に思います。そんな折、八重さんは自身がハンセン病にかかっていないことを知ります。施設を出て自由な生活を送れるのですが、心の中は何かすっきりしません。彼女の中に新しい生の意味や価値が生まれていたのです。八重さんは「私にお役に立つことがありましたら」と施設で働くことを望みました。それ以降、八重さんは献身的に看護にあたり、生涯をハンセン病患者の救済に捧げ、1989年、91歳で帰天されました。1959年には教皇ヨハネ23世より聖十字勲章、1961年には赤十字国際委員会よりナイチンゲール記章を受章しています。八重さんは「一粒の麦」という言葉を大切にしていたそうです。「よくよく言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ。(ヨハネによる福音書12.24)」人生とは何か、人生の呼びかけとは何か、生徒たちは大きなテーマを与えられました。