コンテンツにスキップ

学校だより

フィリピン研修再開!

 コロナの影響で中断していたフィリピン研修(第23回)が8月15日から28日までの日程で行われました。その様子を簡単にご紹介します。今回はマニラでの滞在編です。
 8/15は移動。マニラの宿舎には午後7時くらいの到着になりました。今回は、STA. RAFAERA MARIA HOUSE of RETREATという黙想の家に滞在します。一般のホテルではないのですが、シスターたちの温かい歓迎を受けました。

8/16
 午前中はマニラ観光。リサール公園やイントラムロスを見学、フィリピン独立運動の英雄ホセ・リサールについて主に学びました。
 午後は今回の研修で初めての「活動」といえる機会。カトリックの修道会Verbum deiが運営する放課後の活動に参加している生徒たちとの交流でした。ダンスの披露、おりがみ体験などで盛り上がりました。異文化の若者との交流の体験は生徒に活力を与えてくれたようでした。

8/17
 この日は一日パヤタス地区で過ごしました。パヤタスは有名なスモーキーマウンテンに次いでゴミ捨て場となった「第二のスモーキーマウンテン」。今はゴミ山としての役目を終えましたが、スカベンジャーとして仕事をしていた人、今もごみを分別することで生計を立てている人たちが暮らしています。
 朝は、「パヤタス」中心部から少し離れた「プラスチックエリア」にある、栄養不足の子供たちに栄養のある食事と学習の場を提供する活動をする施設を訪問しました。プラスチックごみの分別をして生活している人たちが住む、生活環境がかなり良くない地域でしたが、そのような地域を実際に歩いて、生徒も驚きを隠せない様子でした。

 続いて、2010年に起きたゴミ山崩壊で多くの人が亡くなった事故を記憶するメモリアル・スペースに行き、実際にその事故を経験した人から、事故による苦しみや補償金をめぐる行政との闘いについて聞くことができました。

 午後はLearning Institute of St. Augustineを訪問し、同世代の若者たちと交流しました。幼少時に朝訪れた施設に通っていたような、スカベンジャーなどの大変貧しい家庭の子供たちに奨学金を得る機会を提供する活動をしている施設です。本当に明るい生徒たち(奨学生)ばかりでしたが、背負っているものの重さに本校の生徒も衝撃を受けたようでした。ところで、彼らは、今回の我々の訪問でのパフォーマンスのために、練習合宿をしてくれたそうです。

 この後、我々はナガを訪れるのですが、マニラで交流した若者たちとアテネオ・デ・ナガ高校の生徒たちとは社会階層が大変異なります。フィリピン研修がナガ高校との姉妹校交流だけでなくマニラでの研修を重視しているのは、For Others, With Othersの観点から、弱い立場に置かれた人たちの存在に目を向けてもらいたいからです。

8/18
 この日は、一日、フィリピンで聾啞者が教育を受けられるように支援活動をしている佐藤宝倉神父の案内で、Dr. Jose N. Rodriguez Memorial Hospital(ハンセン病治療のために作られた病院)と「フィリピン・アシジの聖フランシスコ・デフ・センター(PSFADC)」(聾唖者の職業訓練、進学を支援する施設)を訪問しました。左の写真はハンセン病についての説明を英語で聞いているところです。このあと、実際にハンセン病患者の方が療養している施設を訪ねました。右はPSFADCでフィリピン手話を学んだあとの集合写真です。前列の方々はそこで学んでいる聾者の方です。私たちにフィリピン手話を教えてくれました。

 ナガに行く前のマニラでの研修は実質3日間でしたが、厳しい状況にある人たちのもとを訪れることで、生徒は、一気に、社会の広さや深さに気づいたようです。