イエズス会教育の理念
広島学院では、Ignatian Leadership Program(以下ILP)を実施しています。これは、イエズス会の創設者イグナチオ・デ・ロヨラの『霊操』の方法を教育に応用した、全世界のイエズス会学校で共有するイグナチオ的教授法(Ignatian Pedagogy:経験→内省→実践→評価のプロセスを通じ、物事を深く徹底的に知る方法)に基づいて、生徒が「他者のために、他者とともに(Men for others, with others)」という言葉を体現することができるリーダーとして育つことを目指すプログラムです。
本校では倫理(道徳)と総合学習を統合した形でこのILPを実施しています。中学では、家族・友人など自分の身近な「他者」からはじまり、障害者や元ハンセン病患者の人々、フィリピン・ネパールなどの途上国やアフリカ難民など、さまざまな立場の人々について体験的に学び、自己中心的な自分から次第に視野を広げ、「他者」を発見していきます。
高校では、キリスト教的世界観をもとに、自分に何ができるかを考え、より広い意味で「他者」を考える中で、将来の自分の生き方へとつなげていきます。高1は生き方・使命に対する洞察を深め、大学訪問や卒業生(大学生・社会人)の講演などを行いつつ、自分の進路を探ります。高2では、自分が興味・関心のある学問分野について少人数のゼミで研究することで知的な深みを体験し、最終的に論文作成を行います。高3では哲学を学び、生きる意味や目的について思索します。
このように、6年間のILPを通じて「Men for others, with others」の価値観を身につけ、それを実践できる人間を育てることをめざしています。