20250408 始業式
今週の言葉「…あなたがどこに行ってもあなたの神、主は共にいる。」(ヨシュア記1.9)
67期生の皆さん、高校入学おめでとう。皆さんは義務教育を終え、自分の意思で高等学校の学びに入りました。学院生活の折り返し、皆さんが良き学校のリーダーとなって盛り上げてくれることを心から期待しています。
そして、70期生の中1の皆さん、改めまして、広島学院、入学おめでとう。
昨日の入学式は中3のみの参加でした。是非、新しいファミリーの顔を先輩方に見せて下さい。
70期生、起立。他学年の皆も中1・70期生の方に体と心を向けて下さい。
皆で歓迎の拍手。70期生、着席。
昨日の入学式で、とても頼もしく、心強い出来事がありました。入学式の日は、私たち教員は猫の手も借りたいくらい忙しいのですが…そんな場に白馬にのった騎士団が登場してくれました。生徒会執行部の皆が、私たち教員が何もお願いしていないにも関わらず、自発的にヘルプチームを作り、無線で連絡を取りあいながら、写真撮影がスムーズに行われるように奔走したり、ガクもんを登場させて新入生の心が和むような工夫をしてくれました。彼らに新入生が、そして私たち教員が、どれだけ救われたことか。。。彼らがこれから1年、学校を引っ張ってくれると思うと、とてもワクワクします。生徒会執行部の真心に敬意をしめしたいと思います。拍手!ありがとう。
お伝えし忘れていましたが、今月より、本校の校長に就任しました。どうぞよろしくお願いします。多くの皆さんがこの人事に驚きを隠さなかったと思います。というより、私自身が一番、驚いています。ご存じの通り、私は一人では何もできない男です。生徒の皆さん、広島学院をより魅力あふれる、唯一無二のイエズス会学校となりますよう、力を貸してください。よろしくお願いします。
今日、広島学院は創立70周年の新しいスタートしました。”FORWARD AGAIN“(もう一度、前へ)を合言葉に、新校舎建設に向けても動き出します。
学年団の新しいシステム・体制もスタートしました。昨年度までは基本、6名の学年団でしたが、今年から、各クラスに正担任、副担任を置き、2人の先生方がクラスを見守る体制となりました。学年主任は当該学年クラスの副担任も兼ねます。学年団8名の先生方で一学年のファミリーを造り、皆さんがおかれている状況に応じた選択肢を取りやすくなるように配慮いたします。また、クラスの公的な担当窓口は、原則として、正担任です。保護者個別面談は原則として、正担任が行いますが、生徒個別面談等は状況に応じて、副担任が行う場合もあります。
さて、新年度開始に当たってのお話。
一年前、私は、不思議な体験をしました。といっても、この話を聞いた皆さんにとっては、何の変哲もない体験に聞こえるかもしれません。
昨年の3月末、イエズス会4校の合同イベントが神奈川県秦野市にある上智短大が行われ、私はその引率者でした。初日の集合時間ギリギリになってしまったので、車窓から見える景色など皆目意識せず、私は大慌てで引率しました。どうにか集合時間内に上智短大について一息ついたとき、「上智短大からは富士山がきれいに見える」と聞いていたことを思い出しました。ところが、建物からまわりをぐるりと見まわしましたが…まったく富士山は見えません。そのままその日は夜となり、暗闇の中からも当然、富士山は全く見えませんでした。
翌朝、起きたら澄んだ空気に雲一つない真っ青な空が広がっていました。そのまま朝の散歩に宿舎の外を出て数歩歩いてみると…目の前にあれだけ探したはずの富士山がそびえたっているのです。真っ青な空に、白く冠雪したシルエットが裾まで広がる、それはそれは美しく、雄大な佇まいでした。その圧倒的な存在にしばし心を奪われましたが、次の瞬間、「昨日、あれだけ、富士山の姿を探してた時間は何だったのだろう。」とモヤモヤが始まりました。ほんの少し、宿舎から出ただけで、富士山はその威風堂々とした姿を当たり前のように見せてくれている…私がまったく見向きもしない間も、その威容は私をあたかも太古の昔から見守っていてくれていたようで、忙しくせわしく景色など見る余裕のなかった自分が、なんだかとても恥ずかしく思えてきました。
そう思った時、普段の私の姿を象徴しているような気にもなってきました。大して忙しくもないのに慌て、心のゆとりを失い、ずっと私の中に存在している大切な人や出来事、大いなる存在をあたかも無かったかのように忘れている自分。父と母、家族、恩師、親友、達成した出来事…そして、神様。しかし、自分は見失っていても、父や母、親友、恩師、大事な出来事、そして神様は、いつも自分と共にいてくれたんだ、ということにも気が付きました。富士山をみながら、そう思った時、なんだかいつも以上に力が湧いてきました。
今週の言葉は、旧約聖書のヨシュア記冒頭を取り上げました。出エジプトの際、モーセの後継者となったヨシュアが、神から授かったとされる言葉です。
「わたしは、強く雄々しくあれと命じたではないか。うろたえてはならない。おののいてはならない。あなたがどこに行ってもあなたの神、主は共にいる。」
新入生は、知らない人だらけに囲まれていて、不安な気持ちの方が多いかもしれません。中2から高1は、キラキラ見えていたはずの世界をどこか薄暗く感じ始めているかもしれません。高2・高3は受験期に突入し、自分の未来に対する漠然とした不安にさいなまれているかもしれません。でも、安心して下さい。皆さんは、決して一人ではありません。小学校でお世話になった野球のコーチや、大切な思い出、親友の真心、無条件に愛情を注いでくれる保護者やおじいさん、おばあさん…、阿弥陀様、法華経、神様。今、物理的にはここでは見えませんが、確実に皆の中に存在し、常に皆を支えてくれています。だから、安心して、新しいスタート、新しいチャレンジにあたって下さい。きみたちがどこに行っても、君たちの大切な大いなる存在は、常に君たちと共にあります。慌ただしい時期ですが、そんな時期だからこそ、静かに自分の心を振り返り、自分の中の大いなる存在、無条件に支えてくれている存在を思い起こしてください。どんな結果が待っていようと、その存在が君たちをいつでも、支えてくれているし、これからも支え続けてくれます。
今日はクラス役員を決めたり、新しいチャレンジが早速待っています。さらに今年は2か月後に文化祭が待っています。うろたえず、おののかず、新しいチャレンジをこの70周年の記念の時に踏み出していきましょう。君たちには常に、絶対的な、大いなる存在がともにあるのだから、安心して下さい。