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講話

10月22日 朝礼

おはようございます。
 全校朝礼で私がここに立って挨拶をするのは久しぶりで、調べてみると前回は9月10日でした。このときは表彰が1件あった後、体育委員長が体育祭に向けて熱く語ってくれました。その体育祭から3週間ほど経ち、もうあと10日足らずで文化祭です。文化委員長は、今年のテーマを「Do it! Do it!」と決め、「自分のやりたいことやできることを見つけて、とにかくみんな、文化祭で何かをやりましょう」と呼びかけました。

 この「とにかく行動してみる」というのは、文化祭に限らず学校生活の中でいつも心掛けたいことです。何をしてもいいという訳ではないが、何か行動してみないことには何も始まらないし、何の結果も出てきません。結果というと、誰でも失敗は避けたいところでしょうが、一方で、失敗の体験も大切だということも、みんな何度も聞いていると思います。脳科学の立場から見ても、物事の本質をつかむ力やセンスを磨くために失敗は不可欠な体験であって、失敗を恐れて行動を躊躇するというのは、脳の成長のチャンスを奪うことになるのだそうです。また将来取り返しのつかない失敗をしないためにも、ある程度の失敗の体験はあった方がいい。そういう意味でも「とにかく行動してみる」というのは必要なことです。今度の文化祭でも、失敗を恐れず、テーマの「Do it! Do it!」をみんなに実践してもらいたいと思います。

 さて、廊下には今月の初めから「尋ねよ、さらば見出さん」という言葉を掲げてもらっています。マタイによる福音書の文語体の訳に出てくる言葉で、現代語の訳では「探しなさい。そうすれば見つかる」となります。ここでの「探す」という字は「探求」の探の字です。「捜索」の捜の字の捜すは「見えなくなったものを見つけ出そう」というような意味合いで、探求の探の方は「欲しいものを見つけ出そう」というような意味合いだそうです。
 何を探すのかというと、特にみんなにとって、将来自分がしたいことや自分の進みたい道は、真剣に探さなければならないものの1つです。それも、今の自分が知っているほんの狭い世界の中から探すのではなく、もっと広い世界の中から探したい。自分の世界を広げなければならないということです。そのチャンスは学校の色々な活動の中にあるはずで、それも探さなければなりません。
 そして、聖書の原語のギリシャ語では、この個所は単に「探しなさい」ではなく、「探し続けなさい」という継続のニュアンスがあるそうです。チャンスはそう簡単には見つからないかもしれないし、見つけてもうまく生かせないこともあるでしょう。それでも強い意志で、忍耐と希望を持って探し続けなさい、そうすれば見つかると聖書は教えています。見つけたら、もちろん行動に移さなければならない。今年の文化祭のテーマと同じです。
 この将来進むべき道を探すということも含めて、私たちは、よりよく生きるためにこれからするべきことを探さないといけないし、場合によってやめるべきことを探さなければならない。だけど、ときにそれらを探さず、何もせずに逃げる言い訳ばかりを探すことが、誰にもあるかもしれません。それではさっきも言ったように、何も始まらないし何の結果も出ません。何も変わらないということです。思い当たる人は、本当にそれでいいのかよく考え、ここというときには真剣に探すということを意識してもらいたい。そんな思いで、この言葉をもうしばらく掲げておきます。

 それと最後に、もう10月も下旬になりましたが、10月はカトリック教会では「ロザリオの月」と定められています。ロザリオとは、聖母マリアへの祈りを繰り返して唱えるときに、祈りの回数を確かめるために使う数珠のような道具、また、それを使った祈りのことをいいます。このロザリオの祈りはカトリック教会の伝統的な祈りですが、特に10月にはこれを唱えて聖母マリアを称えるように勧められています。本校でもこれに因んで10月を祈りの月と定め、毎朝聖堂で祈りの集いを開いています。各学年の生徒がいい話をしてくれるので、ぜひ足を運んで、その話を聞きながら静かなひと時を過ごしてもらいたいと思います。