図書委員会(図書館)第2回「カフェ「Cura Personalis」」
9月9日(月)の16時より、川本隆史先生を招きまして、1学期末に実施することが出来なかった第2回目の勉強会を開きました。今回のテーマは「正義とは何か?」でした。参加者は中3の生徒から高3の生徒の10人(1人卒業生が加わりました)でした。
会の冒頭で、川本先生は1998年にノーベル経済学賞を受賞したインドの経済学者、アマルディア・センの作った「誰が笛を持つべきか」という問題にアレンジを加えた問いを生徒に聞きました。その問いは以下のようなものです。
「ここに1本の笛があります。3人の男の子がいて3人とも笛を欲しがっています、誰に笛を持たせるのが妥当でしょうか? 男の子たちにはそれぞれ以下のような特徴があります。」
A君 彼は笛を吹くのがとても上手。彼が笛を吹けば、その巧みな音色で聴く人がみんな幸せになれるでしょう。
B君 彼はとても貧しい。おもちゃのひとつも持っていません。彼が笛を持てば、生活が豊かになるでしょう。
C君 彼は笛を作った本人。当然彼が持ち主であるべきだ、とも考えられます。
川本先生はどれが正解というものでは無いという前提で、生徒一人一人に誰に笛を持たせるべきかを理由を含めて聞きました。
生徒の意見を聞きながら川本先生はどう考えていくのが妥当なのかを解説してくれました。そしてそれに応えるかのように生徒たちの議論も深まっていきました。議論を重ねている内に、何が本当に正しいのか?が分からなくなって来るような感覚になりました。議論がほぼ熟して来た段階で、川本先生は可能な限り議論を重ねていくことの大切さを語ってくれました。あっという間の1時間半でした。
そして今回の最後に、次回は何について話していきたいか?という話題になり、次回は「理想の政治形態や政治の在り方とは何か?」について考えてみようということになりました。
今のところ次回は12月2日(月)を予定しています。今回参加しなかった人でも、考えが浮かんだ人はぜひ気軽に参加してみてください。